2011.09.26
「里山アート展」の準備に参加して

       みんなちがって、みんないい
御沓一敏

アメリカが牽引してきた世界のグローバル化の波が変調をきたしている。
他の宗教を認めない一神教の信者同士のぶつかり合いが戦争やテロを
排出し続けている。

明治以来、西欧に追いつき追い越すために日本が取ってきた国策が
結果として、いまさまざまな問題を噴き出している。

子どもたちの間では依然としていじめの問題やそれに関連する自殺、
引きこもりや精神的な病に悩まされる者が後を絶たない。

最たる原因は経済的視点でしかモノ事を判断しなくなったことにあるとおもう。
金を多く稼いだ人間が勝ち組、その他は負け組みとして弱者と呼ばれ
職を失い、いじめに遭った子どもたちと同じような道を辿る。

これらに共通しているのは一つの物差しに合わないものは
全てが切り捨てられるところにある。

9月23日から25日までコスモ夢舞台へ「里山アート展」の準備に参加してきた。

思いおこせば、この地をはじめて訪れたのは10年くらい前になるだろうか。
現実の社会に戻ればそれ相当の肩書きを持つ大人たちが
無心に嬉々として汗を流している姿をみて驚いた。

いつしか、自分もその輪の中に入っていた。
定年後、一年の半分近くを常駐したことがある。
それを3年続けたところで膝を痛めてやむなくリタイア。

もう、復活はないと自分でも諦めていた。
そこへ看板を書いて欲しいという依頼があった。

自分でも奮起して
「桃源の湯」の燃料として集まる杉材の一部を拝借して木の皿をつくってみた。
今回は素材の産まれた場所へ作品として持ってきた。

「コスモ夢舞台の想い」の詩の一節に

“ふるさとには いつもあなたの座る場所がある
 その場所を共につくろう”とある。

それは、金子みすずの言う「みんなちがって みんないい」世界であることに
改めて、気付かされた。