2016.05.07
季節の変わり目
森 紘一

 5月の豊実の連休は、農業体験と通常総会が開かれる。5日の早朝、横浜から首都高に上り、東北道、磐越道と進むにつれて、色濃い山並にさまざまな淡い新緑の固まりが広がり、山藤の薄い紫色も見られる。半年ぶりの豊実は、豊かな季節の変わり目を迎えていた。

 5日午後からの総会では、前年度の事業報告と決算、今年度の事業計画と予算などが順調に承認されていった。 

その他の議案で、移住者・定住者問題について佐藤さんから発言があった。「空き家があって、移住希望者がいれば即、話は成立というほど簡単なものではない。そこに、地元住民との間を取り持つコーディネーター役が必要となる。コスモ夢舞台としては、その応援サポートを積極的に推進していきたい」。

 これは明らかに、一歩前進の事業プランである。

これまで我われの活動は、“アートを軸に個人と地域の元気を取り戻そう”が合言葉だった。これからはさらに、阿賀町豊実の田舎暮らしを外に向かって呼びかけ、促進していくことになる。

 すでに、豊実への移住を固め始めた仲間のFさんは、その先例となる。我われも心して応援していきたい。 

 夜、Fさんの住まいとなる駅前の建物に初めて泊まるこになった。桃源の湯が焚かれていたことを聞きつけて、就寝前にKさんと出向いてみた。石夢工房から眺める満天の星空は、久しぶりの大迫力だった。漆黒の闇の中で、力強く天空から励ましを受けているような酔いを覚えた。 

 NPO法人となって7年目となるコスモ夢舞台も、季節の変わり目を迎えたようである。