2020.10.20
小野小町設置
佐藤賢太郎

 いつも通る喜多方市の高郷村の道端に小野小町塚がある。私はこんな寂しいところにあると思っていた。小野小町は誰もが知っている平安時代の美人の代名詞のように使われている有名人です。しかし調べてみると、その人物像の実態は全く
不明であるといっていいほどである。
 誰も見たこともない、いつどこで、歿したのかもわか
らない存在です。京都や全国各地に、私の村で没した
との伝説もある。その一つ、出羽国に行くとき亡くなっ
たといわれているのが喜多方市の高郷村である。私はこの度、許可を得て、その地に小野小町石像を寄付することになった。村おこしになるかどうかはわからないが、今までにない小野小町像である。小野小町は、絵では十二単姿に描かれている。 
 私は純白な大理石彫刻で創った。この地域も雪国であり、雪の妖精のように、もちろん美人な女性にしてある、しかも見たこともない姿である。設置は彫刻家として嬉しい限りである。
それは龍雲寺の石庭つくりから、私は見たこともない幽玄の世界に踏み込んだから可能になったのである。