2020.8.16
石庭
佐藤賢太郎

 私は「芸術家は何でも新しいものを生み出すものではなく、自然や先人から学び、少し自分の感覚で作り上げているもの」だと思います。それを温故知新と言います。
 この度、いわき市の龍雲寺で石庭をつくりたいとメールをいただきました。それを監修してほしいとのことです。私には願ってもないことで、この機会を与えてくさいまして嬉しく思います。縁があったお寺です、素晴らしいお寺にしたいです。

 私は34歳の頃、つまり彫刻家の修行中、桂離宮2回、竜安寺、修学院離宮を2回訪ねました。そこで、竜安寺(京都の寺、禅寺)をアレンジして龍雲寺の石庭を創ってみたいです。龍雲寺の一部を枯山水の庭にする、いいと思いませんか。竹林を塀に見立て、細かい石は竜安寺と同じく白い砂利、あるものでよいです。また桂離宮を見本に石畳みの並べかたも参考にします。桂離宮で見て参考にした「つくばい」が私のところにあります。私のところにおいてあるより、そちらの方がはるかにいいですね。石庭は作品「門」のそばにあります。禅堂もあります。
 
 普通の彫刻家は石庭には手を出しません。たまたま私は修行中、灯篭やつくばいなどの作り方を学びました。その図面もあります。京都に行かなくても、私のデザインした石庭を龍雲寺で楽しめばよいと思います。愛知県岡崎の石の彫刻家のところで学びましが、どこで役に立つか分からないものです。10月1日の除幕式までに完成したいです。