2009.11.29
6回里山アート展の片付けを終えて
鈴木隆雄

 11月24日・25日、森紘一さんと私とで里山アートの後片付けに阿賀町豊実を訪れた。既に作家の皆さんによる出展作品は搬出され、残り少なくなった作品群の撤収であった。初冬の里山は小春日和の柔らかい日差しが降り注ぎ、ゆったりとした時間のなかにあった。思えば、第6回里山アート展も無事終えることが出来、主催者佐藤賢太郎さんをリーダーとするコスモ夢舞台の私たちも心地よい疲労と達成感を分かち合うことができて安堵しているところである。

 山や川に囲まれた田んぼや畑に作品を展示することにより、見過ごされていた自然の美しさを再認識し、野外アートの楽しさを鑑賞するとの願いのもと開催した里山アート展であった。

 なんと言っても東京、神奈川、茨城他関東近県から作品を出展していただいた作家のみなさんの絶大なるご協力があり、田んぼ夢舞台祭り、里山アートシンポジューム、リトアニアの写真家アウトゥラス氏による里山アート会場での写真撮影指導等のワークショップと一ヶ月の開催期間中工夫をこらしたスケジュールをこなしたのである。

 田んぼ夢舞台祭りでは、民謡、銭太鼓、フラダンス等地元の方々の参加があり、中でも小学生の山嵐太鼓が目を引いた。コスモ夢舞台で語るシンポジュームでは、奥会津書房遠藤由美子氏をパネラーに里山アート開催の意義、地元との交流・発展の課題を探った。ワークショップでは、アウトゥラス氏と参加者が一緒に作品を撮影、参加者全員の写真をパネルに掲載し評論・感想を述べあうなど有意義な内容であった。

 この第6回里山アート展の開催期間中、過疎の静かな村に多くの人たちが訪れ出会いがあった。そして、回を重ねるごとに少しずつではあるが着実に人の輪の波が広がっているように感じた。

 後片付けが終わって静かになった刈田の風景を見ていると、むせる様な青葉の5月、泥田に足をとられながらの田植え、汗にまみれながらの草刈、黄金色に輝く稲穂、苅田にアート作品の賑わいとこの一年豊実の里山に吹いた風の中に自分が立ち会えたことに感謝の念が沸いてくるのである。