2017.10.23
撤収作業とシンポジウム
森紘一 

 10月21日(土)、豊実は一日中雨も降らず気温も14度前後で、肌寒いというほどではなかった。今回の撤収作業とシンポジウムには、東京ブロックから6名が参加した。超大型台風21号の接近で心配した最終日だったが、日没前に無事後片づけを終了することができた。皆さんそれなりに元気でたくましい。 

広々とした田んぼは寂しくなったが、会場奥のシンボルタワーの一角に集まった作品群は、まるで作戦会議でもしているかのようで、遠目にも鮮やかな色柄が目立っている。

 正味20日間の開催期間に、どれだけの皆さんがお見えになり、何を感じてお戻りになっただろうか。「アートと生活」と題した作品展で、はたして“心に感動を見つける”ことができたでしょうか?

今年の会場は、阿賀野川の景観そのものを生かした「the waterside」という作品や空き家を外装からリフォームした「アートの家」、そしてそのひと部屋を作品とした「アルプの部屋」など、随所に新しい試みも見られました。

 さらに、次回に向けて会場の美観を維持するため、川沿いに棚田風のひな壇を造り、そこに水芭蕉を植え込もうと準備も始めました。佐藤さんのアイディアと実行力は尽きることがありません。しかも、水回りは作品の塩ビ管を再利用した手づくり装置です。 

 その夜、12人で囲んだ和彩館の食卓は例によって談論風発、これからも作品づくりや景観づくりを、体力の続く限り楽しんでいこうと全員意気軒昂でした。この後展示館に移って就寝前の一時まで、マキ子さんを囲んで懇親会は続きました。 

 翌朝、9時から展示館の会議室でシンポジウムがありました。佐藤さんは今年の出品作品41点をスクリーンに映しながら、時に制作者の感想を織り交ぜて手際よく解説し、14名の参加者も充実したシンポジウムを堪能しました。

 「アートで地域おこしは可能か?」というテーマにも次第につながる展開に、思い出すのは、国交省の地域づくり表彰を逃した真夏のプレゼンです。当時は悔しい思いもありましたが、今では会員の一人ひとりが、ベスト8に入ったことをむしろ誇りに感じています。なぜなら、我われが目指すのは地域づくり表彰の大臣賞ではないからです。 

 シンポジウムを終って、来年もアマチュアの我われ会員と郡山の障害者、日出谷小学校児童を中心に佐藤さんの総合プロデュースで作品をつくり、作品鑑賞を楽しむ、そんなアート展を開催継続していくことに喜びを感じています。同時にそれが地域の元気につながっていくために、後継者の発掘・育成が大事であることをかみしめています。

 里山アート展は来年、15回目となります。ぜひ記念すべき周年開催としたいものです。