2011.03.31
下村集落が震災復興の良き先例に !!
小宮 和巳

下村と豊実は、よく似ている。川があり、山が迫り、その間にいくつかの部落が点在している。積雪が多く、主要国道が通じているが、過疎が進行している等々である。こんなところは、新潟県内だけでも数えられないほど存在している。

コスモ夢舞台は、そんなところで始まった。「みんなで集まって、暖炉を囲んで楽しく過ごす場所を造ろう」と。メンバーのほとんどが、関東圏居住者であることから、1年に4回朝早く出て、土曜日曜作業して帰る、そんなやりかたで、まず東屋「悠々亭」を造った。

これが、自信と励みになり、アートギャラリー「ふくろう会館」、宿泊・食事・会合のできる活動拠点「和彩館」、作業後の体癒す「桃源の湯」等夢は広がり、次々と廃屋や古家を自前で再生。

ハードが整ってくると、それだけでは物足りない。みんなで楽しむために始めたコンサートは、やがて里山アート展、田んぼ祭りへと進化し、考える場として、各種シンポジウムも開催。

田んぼでのイベント実施は、その周辺の環境整備につながっていく。蛍やメダカの棲むビオトープ、地域の景観づくりに取り掛かる。

「生」に不可欠な「食」にも関心。味噌づくり、無農薬米・古代米づくりにも取り組む。これに笹団子や漬け物を加え、地域の特産品できないか、そして、これを将来的に定住推進の核にできないか現在模索している。

以上が、講演の大雑把な要旨であったと思う。

新参者の私が言うのも僭越だが、このように、夢は、真摯に取り組んで実現すればするほど更に広がり、より質の高いものに誘導してくれるようだ。

今、コスモ夢舞台は、定住できる「活力ある地域」の形成に向けてようやく端緒に辿り着いた段階であるが、これからが奥深く、難しい。

「楽しむ」をキイワードにして仲間のみで何もないところから出発したコスモ夢舞台に比べ、下村集落の場合は、地域全体を網羅した推進体制が整え、池井さんをはじめシモムランダーという専門家サポーターに支えられています。
  既に行政の支援も約束されていると聞きました。1年かけて作成された、立派な「地域復興デザイン」もあります。これをみんなが参加して楽しみたいと感じるような実行計画に詰めて実施し、災害被災地域の良き先例になってください。それが、東日本大震災被災地の方々に大きな力を与えることになると確信します。健闘祈ります。