2010.04.23
再びギリシャへの閉め
佐藤賢太郎

3月30日
    いよいよ明日はギリシャを発つ日です。日本に帰る夜となった。この日はありがたくも参加者の皆さんが私と家内に、感謝として夕食をご馳走してくださることになっていました。そのレストランの2階席に案内されると、目に入ったのはアクロポリスのパルテノン神殿であった。刻々と時が立つにつれ風景が変わっていった。まるで劇場の照明が変わるように。それは、ロケーションが絶景の高級レストランであった。嬉しさのあまり、わいわい騒がないようにと景子さんから教えていただきました。

暗く施され室内から見えるパルテノン神殿は、ライトアップでよりいっそう浮かびあがっている。ここは神の住まいというから、日本でいえば鳳凰堂かなという思いが浮かんだ。

さて、今回の仲間との旅行で思ったことを述べて終わりにします。

このような善き友と海外旅行をしたことは初めてである。まるで考えてもいなかったことが実現しました。スケジュールも現地に行かないと分からないような企画でした。しかし、海外の風光明媚なところを見ることはできても、リオシスのような人間と対話する旅行はまず不可能であろうと思います。私が出会ったギリシャ人と皆さんも対面し、友好関係をもてたことは本当にありがたかった。そしてこの交流は一回に終わらず、これからも信頼しあう人間同士として付き合おうという願いが込められていました。

予定が変更になったときも、それを工夫してギリシャを楽しむことができた。ゆっくり田舎道を歩くことはすばらしい。旅費を安くしようとして一般バスに乗った。そのことで楽しいことも多くあった。細い田舎町をあちこち立ち寄り、葬式の行列にも出会った。高いタクシー代を払って懐かしいクルータの海岸にも行ったが、それは何倍もの喜びに替えられた。

しかし皆さんが無事であればこそハピーエンドである。団体旅行というのは一人でもトラブルに巻き込まれると、全体が暗雲に包まれてしまいます。その怖さがありますから、事前にメールで参加者と意思の疎通を何度もいたしました。何でそこまでと思った方もいたはずです。緊張感と同時に、思い切ってリラックスして動く背反する両方の心が必要だと思います。私自身体調を崩さないですごせたことに感謝しています。何かあったら皆さんに迷惑をかけてしまい、旅行が台無しになってしまうという責任を感じていました。それでも皆さんと一緒ということで、一人で行ったときとは雲泥の差の安心感がありました。

今回のツアーで、考えてもいなかった大きな課題が与えられました。日本とギリシャの友好広場が本当に実現できるかどうかよく分かりませんが、私が作品を作り上げなければ動かない。すべてはそこから始まります。それにはまず健康、その他いろいろと高いハードルも待っています。                                   

日本から世界に夢を創る、また語ることができることも楽しいものです。あのリオシスの願いに応えたいという夢があります。夢が叶えられたとき、再度ギリシャ行く方はいらっしゃいますか(?)。旅行もひとつの創作です。そんな人間関係を残せたら、素晴らしいことではないでしょうか。

最後になりましたが、参加してくださいました皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。