2009.12.

2018.02.18
アート展と除雪ボランティア
森 紘一 

 「大地の芸術祭」や「瀬戸内国際芸術祭」で知られるアートディレクターの北川フラムさんが、今年度(平成29年)の朝日賞を受賞されたニュースは記憶に新しい。

里山や島々を舞台にした芸術祭での地域・文化の活性化を推進する北川さんの活動は、今年で15回目となる「里山アート展」を開催するコスモ夢舞台としても、敬意を込めて見守っている。 

授賞式の席で北川さんは、「跡を継ぐ人がいない田んぼや空き家、そういう場所にアーティストが入り、土地の魅力を発見していく。そこに都市から多くの人が訪れ、外国のサポーターも多く入り、その人々がつながっていく。ネット社会になる一方、世界がつながるには、人と人がつながり、人の土地を歩いてそこを知ることが、今かなり重要になっています。芸術祭は地域の色々なことをもう一度考える大きな手立て。時代が大きく変わる中、美術が果たす役割は大きい」と結んでいる(まるで、佐藤賢太郎さんの台詞のようですね)。 

一方、「アートと生活」をテーマとする里山アート展も、地域の人びとの日々の暮らしに溶け込んで広がっている。昨年から始まった除雪ボランティアの受け入れもそのひとつで、一連の活動は「スコップ・ボランティア」として、佐藤さんがホ−ムページにまさにリアルタイムの実感を寄稿されている(ぜひ、ご一読ください)。 

コスモ夢舞台の活動は、全てがつながっている。これは佐藤さんの言葉だが、アートで個人と地域の元気を促進するだけでなく、都市との交流、海外との親善にも及んでいる。さらに、ますます深刻化する高齢化社会の、人としての生き方の提案でもあるように思える。それは、もちろん地方社会だけの問題ではない。 

間もなく雪解けが始まり、桜の季節になれば、里山アート展の準備が本格的化する。
コスモ夢舞台の総合プロデューサー佐藤賢太郎さんのもと、我われも豊実詣でがはじまる。今年は豊実の雪が深いだけに、楽しみも倍加している。