2009.12.
2019.4.23
ギャラリー「隠れ里」の彫刻展
森紘一

 久しぶりの東北道は那須高原を過ぎるあたりから新緑が青空にまばゆいほどで、ところどころに山桜が見え隠れして彩りを添えている。
 鈴木さんのクルマに、時崎さん、大塚さんと新白岡から同乗させてもらい、これから福島県の喜多方市へむかう。気持ちの良いドライブ日和である。
 きょう(4/20)は【佐藤賢太郎 石彫展】の初日で、午後2時からはオープニングイベントとしてジャズのライブがある。大連休を控えた高速は週末とはいえスムースに流れ、磐越道の磐梯河東で下りて11時半前には会場に到着した。
 ギャラリー「隠れ里」は、正面に雪をかぶった飯豊(いいで)連峰の白い山並みが遠望できる素晴らしい高台に立っていた。オーナーの疋田(ひきた)さんに伺うと、ご自身もこのロケーションが気に入って、東京から移り住まれたという。また、太い梁に支えられた屋根組の深いこの建物は、津川から移築した由緒ある古民家だそうだ。

 腕章を巻いた福島民報社の女性記者も彫刻展の取材にみえていた。
 佐藤さんとマキ子さんも、穏やかな笑顔だった。「こんにちは」「お元気ですか?」と、お互いに挨拶を交換した。郡山から大島さんとお母さん、新潟からは小宮さん、吉田麻希さんも駆けつけていた。半袖シャツ一枚のカセンさんと、わたしは初対面だったが親しく挨拶することができた。

会場に入ると、正面右手の壁に『動いてこそ 感動はやってくる』としたためられた書が目立つ。いつもの佐藤さんの口癖だが、佐藤さんの筆ではない。(後で、疋田さんの手によるものと判明したが)佐藤さんの来場者へのメッセージのようにみえる。
 いくつもの見慣れた小動物たちに囲まれて、左手のテーブルの中央に置かれた婦人像が優しく微笑んでいる。「お母さん、お邪魔しています」と、思わず声が漏れてしまう。

 そんな個展会場で、ジャズの演奏会が2時前からはじまった。ベテラン女性ボーカリストの渡辺さんは、個展開催を祝って佐藤さんの作品と佐藤さんの友人・知人の皆さんに囲まれて、こんな素敵な会場で歌わせていただき幸せですと、語っていた。
 20名を超えるお客さまも、ベースとドラムとキーボードをバックにした懐かしいジャズの名曲に酔いしれながら、贅沢なひと時を楽しむことができました。