2009.12.

〜月に一度のご挨拶〜

  塾長の手紙

 塾長の古田修一です。

 新年度の授業が今月からスタートしました。授業の始めに、私から授業の受け方や取り組む姿勢などのお話を全員にし、私自身授業巡視もするようになり、全体的に落ち着いて授業を行うことができています。やるときには真剣にやり、楽しむときには楽しむ。メリハリのある授業が行えるように、今後も私自身全体的な指導にも力を入れていきます。

 新年度を向かえそれぞれ新しい学年での授業が始まったのですが、受験生は公立高校の結果も出揃いました。順調に合格を決めた生徒もいれば、最後の最後の努力で合格を勝ち取った生徒もいました。一方、努力の結果残念な結果になった生徒もいました。いずれにしても、高校入試がゴールというわけではありません。これまでの努力の過程が大切です。この努力した結果は、これからの高校生活でも役に立ちます。きっと、どの生徒も共通して感じていることは、「もう少し早く始めればよかった」ということではないでしょうか。高校生活は、スタートダッシュが大切です。学習内容も、中学より格段に増えます。中学の時のように一夜漬けの勉強では対応も取れなくなってきますので、これまでの中学時代の反省点を生かして、今後の高校生活を送ってもらいたいと思っています。

私がお会いしたかった人

 226日に私はかねてよりお会いしたい方と会って話をしてきました。2月の保護者会でもお話をさせていただきましたが、今年の夏に行われる自然塾でお世話になる、彫刻家で、NPO法人コスモ夢舞台の代表の佐藤賢太郎(さとうけんたろう)先生です。佐藤先生は、大学卒業後、9年間教職につき、その後彫刻家を目指し、3年間修行にでられました。以後は彫刻家として、埼玉県に在住し、個展やシンポジウムに参加し、作家活動を展開されました。2006年には、ギリシャから招聘され、現地に彫刻を設置。その後は郷里でもある新潟県東蒲原郡阿賀町に居を移し制作活動に取り組まれています。そして、12年前から、ある建物をリフォームし、アートギャラリーや縄文館、レストラン、東屋(あずまや)などを作ってきました。その建物などを利用し、里山アート展をはじめ、各種イベントやシンポジウムを開催し、農業や体験教育など、幅広い活動をされています。子どもの教育にも積極的に取り組まれ、今年より自然の中での教育を目指すべく、「コスモ夢舞台塾」を始められます。

「来たバスにのれ」

 かなりご多忙な生活を送られている方なのですが、私の話に2時間ほど付き合っていただき、今後の教育のあり方、塾としての今後あるべき姿などを語り合いました。かなりエネルギッシュな方で、話をしているうちに、さまざまなアイデアが次々と生まれ、私自身も今後仕事をしていく上での活力をいただきました。とにかく動くことにより、さまざまな機会に恵まれ、人生を幸福に生きようという先生の姿勢に、私も惹かれるものがありました。先生はいつも言います。計算や理屈抜きで、巡ってきた機会や縁を生かして即行動する、「来たバスに乗れ」と。私も今回の出会いは、まさに「来たバス」であり、このバスに乗って、大きな未来に向けて走りなさいといわれているように感じました。来たバスに乗るのも、見逃すのもその人の自由です。私はこのチャンスを見逃したくないと思いました。だから私はこのバスに乗ります。そして、新しい教育のあり方を考え、それをWIN&WINから発信したいと思います。

佐藤先生との話の内容

 佐藤先生との話の中で、今の子どもたちに身につけさせないといけないことについて話をしました。それは、創造力や考える力です。便利な世の中になり、私たちの生活は、そのほとんどが機械や道具により不自由ない環境になっています。コンピュータが発達することにより、子どもたちの遊ぶ環境も、ゲーム機械などに頼るなど変化をしてきています。このことは子どもたちだけではなく、私たち大人も同じです。考えることが少なくなってきた現代、私たちは創造性というものを失いかけているのです。これから大人になっていく子どもたちが、この創造性をつけていくと、自分は今後どのように生きていくのか、どのように幸福な人生を送るかを自ら考えることができるようになると思います。そして、そのために必要な勉強とは何か。この考える過程こそが創造性であり、勉強をするということだと思います。私たちは学習塾を運営しています。塾の一つの使命として、成績の向上は、はずすことはできません。しかし、私たちの塾はそれだけでは終わりません。何のために勉強をするのかという根本も、自然体験の中を通して創造力を高めることを通して感じていって欲しいのです。考える力が付けば自然と何を勉強しないといけないかが見えてきます。佐藤先生もかなりの勉強家です。7月からギリシャでの彫刻設置に向け、現地の方との会話を円滑にできるように英語の猛勉強をしています。勉強に利用している本を見せていただきましたが、その本はもうボロボロになるまで、何度も繰り返し読まれていました。本当の意味での勉強とは何か、ということを佐藤先生との対話を通して、改めて感じさせられました。

私の体験からの創造性

 創造性に関しては、私は幸せなことに、学生時代からその考え方について身をもって学んできました。佐藤先生は、彫刻という芸術の分野でのプロですが、私はアマチュアながら、吹奏楽部に中学生から大学生まで所属し、音楽面での創造性を学んできました。特に大学時代に学んだことが、今の私の考え方に大きな影響を与えており、私が今ボランティアで指導に行っている中学校の吹奏楽部でも、しばしば音楽の表現について語ることがあります。

  私の出身大学は、埼玉県越谷市にある、文教大学です。将来は学校の教員になりたいとの大きな志をもち入学しました。入学当初、私は文教大学吹奏楽部の実績を知らずに、体験入部に行ったのですが、そこで知らされてびっくり。全国大会の常連校だったのです。私は、中学時代から高校時代まで、あまり練習に気合の入っていない部活にいたものですから、強い部活とはどんなものかを体験してみたく、入部することにしました。入部する段階では、練習日は、火曜・木曜・土曜の週3回と聞いていました。全国の常連校にしては、練習日数が少ないな、と感じていました。よほど内容の濃い練習を短時間でしているのかとも思いました。しかし、その練習日は原則であり、実際は違っていました。吹奏楽部としては比較的暇な4月〜5月にかけては、週3回の練習でしたが、その後はほとんど毎日。日曜日も学校に行っていました。やはり、何でも磨きをかけるためには、何度も多くの時間数をかけ、反復練習をしないといけないものなのです。コンクール近くになると、発表する課題曲と自由曲の2曲を、何時間もかけ、とにかく反復の練習でした。ここまで反復すると、大学の授業を受けていても、通学の電車の中でも、常に頭にその曲が染み付いているような状態が、毎年続いていました。

 私たちの部活での指導を中心にしていただいたのは、佐川聖二先生です。当時は東京交響楽団の主席クラリネット奏者でした。今も文教大学で指導されています。佐川先生の印象に残る言葉が今でも思い出されます。まず良く話されていたのは、「音楽は愛だ!」ということ。あの当時は半分冗談のように聞いていましたが、今考えると、愛を伝えるためにはどのような表現をしなくてはいけないのかを、誰から指示されるのではなく、プレイヤーである私たちが考えないといけないと感じられます。また、「できません」という私たちの言葉には、烈火のごとくしかられたことが印象に残っています。やってみる前から「できない」という言葉を軽々しく使うのではない、というのが先生の考え方だったのです。

 そのような環境で私は育ったものですから、やはり音楽を創造していくためには、まず自分自身でどのような表現をすると、聞き手に感動を与えられるかを考えていく必要があるのです。ただ単に、指揮者の言われるがままの受身の姿勢では、音楽に中身がなく、聞いていても何の感動もありません。

 このことは何も音楽に限ったことではないと思います。日頃の学習に対する取り組みでも、また日常の生活や将来に対する自分の進路設計に関しても、自ら考え、創造していくことは大切なものになります。そのためにも、私たちWIN&WINセミナーは、自ら考え、行動し、創造していくためのスキルを身につけさせるようなプログラムを考えていきます。それが、塾是でもある「人格を向上させると共に、社会に貢献する人財の育成」にもつながってくると思います。

「子を持つ親の集い」開催決定!

 私は、佐藤先生との対話を通して、先生のこれまで歩んできた姿や、考え方などを、是非塾生の保護者の方をはじめ、多くの方に聞いていただきたいと思い、今回「子を持つ親の集い」に佐藤先生をお招きし、講演をしていただくことになりました。大変ご多忙な中、時間を作っていただきました。今月号の通信の中にも同封させていただきましたが、概要は以下の通りです。

 「子を持つ親の集い」

テーマ〜自然の中での子どもの教育〜

講師:NPO法人コスモ夢舞台代表 彫刻家

   佐藤 賢太郎

日時:平成2646日(日)10001200

場所:WIN&WINセミナー3階教室

参加費:300

内容

 自然の中での教育を通してどのような力を身につけるのか。人生を幸福に生きる教育とは何か。現代の子どもたちにこれから必要になってくる創造性はどのように身につけることができるのか。今回共同開催することになった「WIN&WIN自然塾withコスモ夢舞台塾」を通してこれからの子どもたちに必要な能力についてお話いただきます。

  佐藤先生も今回の講演会のために、かなりの時間をおかけになり、準備をなさってくれています。本来であれば、費用も相当かかってくるのですが、今後の教育のために是非多くの方に聞いていただきたいとの私の強い気持ちから、今回は全額とまではいきませんが、一部をWIN&WINセミナーで負担させていただきます。皆さんに来ていただきやすい金額設定とさせていただきました。

私自身も子を育てる親の一人ですが、佐藤先生の話は今後必要になる、教育の根幹となることが多くあります。今後の子育てをしていくうえで、必ずや役に立つ話ばかりになっていますので、是非多くの方のご来場をお待ちいたしております。私自身も、先生の話に大いに学ばせていただこうと思っています。

今年の自然塾

 今年度の自然塾の計画も立てているところです。まだ具体的な活動内容まではつめきれていなく、今月の29日〜30日を使って、現地の視察に出かけてきます。そこで、どんなことができるか、創造力・考える力を鍛えるためにはどのようなプログラムを考えることができるか、構想を練ってこようと思っています。具体的に目指したい内容は、別紙で同封いたしました、「コスモ夢舞台塾」のチラシをご覧ください。まだ、この企画も今年からスタートしますので、私自身も、より良い企画になるよう、佐藤先生はじめ、NPO法人コスモ夢舞台の方々と共に作り上げていきたいと考えております。

 尚、日程は年間カレンダーでもお知らせしたとおり、731日〜82日までと決まっております。佐藤先生のお話を聞き、私のこの自然塾に対する熱い思いをご理解いただき、多くの方に参加していただきたいと思っております。

 これからも、子どもたちが将来充実した人生を送れ、社会に貢献できる人財を育成できるよう、いろいろと考え、行動していこうと思います。今後とも、心を育てる学習塾WIN&WINセミナーをよろしくお願いいたします。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。