2009.12.

2015.06.08
浦和の講演会
森 紘一 

 6月7日(日)午前8時半、梅雨入り間近とはいえ、JR浦和駅東口は抜けるような青空が広がり、駅前のパルコ周辺には、さわやかな朝の空気が流れていた。

今回の佐藤賢太郎講演会は「食と健康」がテーマの二部構成で、健康料理の試食会付という特別メニューである。 

ほどなく、クルマで到着した佐藤さんとマキ子さんを迎えて、我われもさっそく10時開演の会場準備に入った。調理を済ませた30人分の料理を盛り付け用に仕分け、未明の4時に豊実を発って浦和まで運び込んだおふたりの苦労は並大抵のことではない(終了後のミーティングでも、その点を女性陣が口を揃えてたたえながら、次回はぜひ調理のできる会場でやりましょうと提案があった)。 

第一部の「感動ある生き方」の会場は、パルコ10階の多目的ホール。実行委員長の大塚さんが自ら司会進行を務め、60名を超すお客さまに開会を告げ、スムースに講演会は進められていった。

 「健康は心と食にあり」、佐藤さんとマキ子さんの絶妙の掛け合いは30分。お二人のガン体験を基にした説得力のあるセッションの結論は、「ともかく、ストレスが一番の敵、あとは玄米菜食を中心とした健康食が肝要」。会場の皆さんも、楽しげに聞き入っている様子だった。 

二つ目のセッションは、「コスモ夢舞台の活動を語る」。ふくろう会からNPO法人コスモ夢舞台、そして今日に至る軌跡をスクリーンに映しながら、会場にいる当人に感想や思い出を質す佐藤さんの演出は見事だった。 

佐藤さんの個展の作品搬出入に実績のある長老成田さんは、色々な会やグループに所属することが元気の秘訣と語り、大野さんは、もろもろの建設作業に怪我人を出さなかった苦労話を披露。佐藤さんの教員時代の教え子でもある小板橋さんは、悠々亭やふくろう会館の屋根の補修に駆り出された思い出を語った。 

大塚さんは蓮の池つくりの過酷な肉体労働に、鈴木さんは中高生の体験学習受け入れに、桐山さんは、佐藤さんのリーダーシップと仲間の結束の強さに、それぞれ触れながら夢を持つ楽しさを開陳した。 

里山アート展の作品つくりに参加する面白さを、時崎さん、古田さん、わたし(森)も問われるままに答えていった。この日、新潟から参加した小宮さんは、新規参入した経緯と感想を吐露。 

悠々亭の石窯つくりの発案者である渡辺さんに続いて、女性会員の荻原さん、大内さん、萩谷さんも会員としての楽しさを発言し、ぜひ豊実にお越し下さいと、会場の皆さんに呼びかけていた。「私は、こういうことに感動してきました」というそれぞれの感想は、会場の皆さんに素直に伝わったことだろうと思う。 

最後のセッションで、「夢のある生き方」を佐藤さんが集約した。おそらく会場の皆さんも、さまざまな角度からの発言を通して、「感動ある人間交流」「一人ひとりが輝く」「本物と向き合う」大切さを実感されたのではないだろうか。 

第二部「食は命、健康料理」は、休憩を挟んで同じフロアーの第13会議室で行われた。会場の準備は、マキ子さんを中心に大塚さんと時崎さんの奥さんも加わり、賄い班総出で万全に調えられていった。 

パルコの会場は調理設備がないため、豊実で調理した料理を運び込まざるを得なかった(それで、二部は定員30名となってしまった)。半数以上の方には、残念ながら賞味していただくことができなかった。

日々研鑽しているマキ子さんの料理は好評で、「調理は、まず感謝から」という言葉にも、出席された皆さんは素直に頷かれていた。

質疑応答では、参加された皆さんから重ね煮の方法や玄米の炊き方に熱心な質問が集中していた。アンケートを寄せられた皆さんの感想や意見を読むと、今回の講演会は「食と健康」という身近なテーマであったこともあるが、全体の構成がバラエティ豊かで分かりやすく、楽しかったと好評であった。

午後2時半過ぎ、閉会となった後も、佐藤さんやマキ子さんと談笑する皆さんの輪はしばらく途切れなかった。 

今回のような講演会を継続開催していくことができれば、さらに次への展望が開けそうである。コスモ夢舞台にとって、画期的な体験をした一日となった。