2020.3.25
第2回奥阿賀・国際アートフェスタ開催について
佐藤賢太郎

猿が多く住む過疎地である我が家に、不思議なことに外国人が多くやってきます。京都のような観光地でもない、風光明媚なところもない、何もないというのが特徴かもしれません。閑散とした村に、山と川、小さな田んぼがあるだけの鄙びた山間地です。それなのに、なぜ多くの人々が来てくださるのでしょうか。一言でいえば、平凡な田舎の、真の豊かさに関心があるからです。アメリカ人のケント・ギルバートは「私が日本に住み続ける15の理由」という本を書いていますが、豊実はまさに、その理由を満たす地域でありましょう。
 私はこの過疎地に仲間と共に夢を創って来ました。最近、外国人が、私の主催するアートに関心を持ち始めています。便利でもない、何もないところだからこそ、ここでは日本人が昔暮らしていた生活に触れることができます。そして彼らが大切に思っているリサイクル生活も体験できます。その事にも関心が集まります。

そこで私はこのたび、第2回奥阿賀・国際アートフェステバルを開催することにしました。テーマは「自然の摂理・昔の田んぼの再現・水・世界の人々をアートで結ぶ」。つまり、昔の田圃と豊かな水、満喫できる自然という豊実の貴重な財産を仲立ちに、世界の人々と共にアートで結ぼうというものです。
 海外の人々も地域の人たちと共に自由に制作し、豊実の町を深く心に刻むことでしょう。
 このフェスティバルの会場整備には、相応の覚悟と体力を要しました。会場となる山への3本の道を作るため、道路工事も完了しました。こうした諸準備のため、ひざを痛めて歩行困難となり、病院で膝の水を抜いていただいたりもしましたが、おかげさまでようやくフェスティバルを迎える用意が整いました。
 このフェスティバルは、アートのみならず、過疎地域の活性化、山林整備を含めた環境回復と、大きな視野を持つ稀有なイベントとして期待されています。
 皆様のご協力を切に願いながら、豊実の真の活性化に向けての手作りイベントを、心を込めて開催いたします。