2015.10.29
Rachid のメモリー2
佐藤賢太郎
こんなに素晴らしいウファ-に出合ったのは初めてであった。
なぜなら私が英会話を少ししかできないのに、それほど不自由を感じないこと。私の仕事の手伝いも、先々と察してできる人。そして、日本の文化を知っていること。その上、料理が上手であること(イタリア料理、スペイン料理、フランス料理、モロッコ料理)。これ以上のウファーは出ないだろうと思います。
ウファ-の受け入れはほどほどにしてほしいと、いつも私に注文していた家内はRachidさんが料理を教えながら作ってくれるので、とても喜んでしまいました。なぜ家内はウファーの受け入れが嫌なのか、それは3度の食事を作ることが大変であるという理由です。
ところで、26日27日とRachidさんが厨房に立ってスパッゲッティーの料理を作ってくれました。これが大変美味しいので、家内はレシピをメモっていました。それはさて置き、私がお客さんと話していると、厨房から英語が話せない家内とRachidさんの笑い声が聞こえてきました。どうしたのか尋ねると、Rachidさんが「マキ子さんは働いている、賢太郎さんはお客さんと話ばかりして全然働いていない」と言ったそうです。この絶妙なタイミングでユーモアを話せる素晴らしさは、若いウファーにはできないと思う。
お客様が帰った後、私が厨房に入って皿洗いをしていると、彼は私の写真を撮り、日本語で「雪がぽたぽた」というのです。これまた私たちは大笑いです。珍しいことをする人をしていると「雪が降る」ということを言いたいようです。
料理がうまく、家内がただただ感心するので、そのお礼として彼を寿司店に連れてゆきました。彼を喜多方の隠れ里ギャラリーに搬出に連れてゆき、その後に鶴ヶ城を見学し帰ってきました。彼は、そのことにありがとう、ありがとうと言っていました。
車を運転しながら、私は通じるかどうかわからないが私の好きな韓国生まれの呉善花さんの言葉を使い「私には欧米化された日本人、農耕アジア的な日本人、そして縄文精神の3つが混ざっている。あなたにはフランスとモロッコ、スペインの精神があるのでないか」と言いました。勿論稚拙な英語で話しかけました。それはあたかも日本人同士の様でした。
帰宅しトルティア(スペイン料理)を食べながら、介護の話をしていると、姥捨て山のナラヤマの言葉も出ました。私たちは凄いと驚いてしまいました。映画で日本文化を学んだそうです。日本人の秀才は一つの事しか解らないように思えてなりませんが、彼こそは秀才だと思います。
日本の過疎地に住んでいながら、私はこうした体験ができます。それができるのは、まさに「来たバスに乗れ」や「一期一会」を大切にする気持ちがあるからです。私の言葉が気に入ったようで、彼はメモをしていました。今できることをしなければ、人生を後悔する、と彼もいっていました。
最後に彼は北海道の体験をスマホで見せてくれた。最後に私は家内と快く長い道のりであったが新潟空港まで送って行った。彼は遠いところありがとうと言っていた。そのあと新発田に行きドイツのハンスさんと懐かしくお会いした。
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