2011.04.02
大震災に私は思う5
佐藤賢太郎

生き方の見直し

原発や大津波の爪跡、いまだ遺体が見つからない被災地は、不自由でとても辛い思いをしていると推察できます。

そんな渦中にあって、私などの話は聞いていただくことはできないでしょうが、被災に合わなかった立場から思うことを述べてみます。

私は都会暮らしから田舎に帰ってきて、どんどんスローライフな生活に入ってまいりました。田舎も都市も同じような生活スタイルですが、今こそスローライフな生き方を趣味ではなく考える時なのではないかと思います。

現代は使えるものをどんどん捨てる時代です。燃料も経済効率から石油、原子力に頼っています。田舎ですら、その傾向は見られます。荒廃した田んぼや林がいたるところに見られます。昔は見かけた自然界の生物も消えてしまいました。そうした中でコスモ夢舞台を立ち上げ、試行錯誤を続けています。

コスモ夢舞台の石夢工房では、手づくりで味噌つくりをしています。そして桃源の湯では薪で風呂を湧かしています。水は山の清水、燃料は廃材、間伐材を使っています。この廃材は、捨てる場がなくて業者が石夢工房に持ってきてくれます。きれいなものではない廃屋になった柱やざまざまのゴミです。

今年はことのほか冬が長く寒いため、薪ストーブの木が足りなくなりました。そこで石夢工房に行って薪を短く切って運んでいます。それこそ瓦礫のように積んである薪です。その山から引っ張り出しては薪にします。  

中にはかびているものもあります。しかし手間をかければ薪になります。間伐材も同様厄介者になっています。しかし、それも活かせば立派な燃料です。そして山もきれいになります。ただこの手間が経済的に合わないということでほったらかしになっています。ここをどうするかが課題でもあります。

収入が少なくなったら、このような暮らしをしてゆくことも一つの手段であろうと思います。また、食は命だとわかり始めました。グルメになることは健康につながらないことを知りました。今、私は肉、魚、卵などいろいろな副食を採らず、栄養価の高い玄米と野菜を食べる生活をしています。山菜や野菜中心の食に変えています。都会ではできないことかも知れませんが田舎ではできることです。

私はたくましく生きることにしています。そして、大切なことは外部の人びととの交流であります。この幅と工夫があってこそ、こうした生活が動くことになるのだと思う。

食や農、教育、自然など、さまざまな分野でコスモ夢舞台は「豊かさとは何だろう?」と問い続けています。

新たな生き方を模索し、これまでの生き方を見直そうとされている方々とともに、私はこれからもスローライフな暮らしを追い求めてまいりたいと思います。