2016.01.19
柔軟な考え
佐藤賢太郎 

隣町、西会津町の五寧さんという方が農家民宿の研修で和彩館に宿泊された。横浜育ちの彼が西会津に移って、シイタケを栽培している。そのシイタケを買うことになって、家内とキノコ作業場に行った。その折、私は山の水でクレソンを育てていると話したところ、需要があるかどうか、ある店にサンプルとして送ってみたようだ。すると反応があって、もう一度採取に来られた。販売先は東京の高級レストランである。 

彼には、都市とのコンタクトをとれる才能がある。農業をベンチャービジネスとしてとらえ、新たなチャンスを次々と考えている。だから昔からあるような農業オンリーの農家ではない。無農薬栽培を売りにしているが、やってみなければ解らないと挑戦するところが面白い。

 手間のかからない、ただ生えているクレソンを市場に売り出すチャンスだと、私たちはお互いに意気投合した。それから、ミントも商品としてやってみようということになった。さらに、これを使ったパンつくりをやってみよう。知人に作り手もいるので、特産品として勉強しようと呼びかけてみました。 

私は「アートと生活」といつも言っているが、ここには創造性が必要である。アートというと芸術の世界と思ってしまうが、人間関係や自然栽培できることや物の流通まで繋げて、柔軟に創造することが大切さであると私は思う。

気づいたらすぐ動くこと。毎日言葉に出していますが、肝心なのは、言葉だけでなく、動いて実践すること。それによって解ります。言葉だけ出しているのは安心という暗示を自分にかけているだけと思います。例えば、私たちは無添加の豆腐を作ることに挑戦しました。レシピを何度も見て作りましたが、3度失敗しました。オカラだけはうまく出来ました。勿論失敗した豆腐も食べました。お蔭でオカラのおかずを美味しく毎回食べています。何度してもうまく行かず、ついに豆腐つくりの上手な方に習いにゆくことになりました。納豆も作ろうとしていますが、やはり簡単に行かないものであり名人に聞いた方が早いようです。失敗しなければ物になりません。なんでも同じようです。勿論添加物の入っていない豆腐や納豆です。

 それが魅力ある田舎暮らしに繋がって、やがて若い方も棲みたくなる地域になることを夢見ています。