2017.03.08
雪国で発見する楽しみ
佐藤賢太郎 

先日、雪の全く無い郡山に行き、雪がなく、春が来たような気持になった。
戻れば雪国豊実の春は遠い。同じ日本なのに、こんなにも違うと思ってしまう。3月8日、制作のため歩いて行くと見渡す限り、田んぼや工房は未だ雪に覆われている。 

この雪の中でも、私は発見する楽しみがたくさんある。そろそろ味噌つくりのための準備をしようと、フォークリフトで除雪をしたところ、どうもタイヤが一本パンクしているようだったので、タイヤ屋さんに調べてもらった。すると、チューブが2本駄目になっていた。 

タイヤの適正空気圧は7キロなのに、4キロしか入っていなかった。今まで知らないで使っていたが、事故がなくて良かったと思います。次回から適正空気圧にしておきたいと思った。

フォークリフトは使いっぱなしで酷使しながら、今までメンテナンスをしていなかった。除雪するのでタイヤがスリップすることを心配しながら使っていた。チェーンはそれほど高価ではなかったので購入することにし、初めてタイヤにチェーンを装着した。すると今までとは違い雪でスリップが少なくなったのだ。さらにフォークリフトに鉄板を乗せ、下向きにして雪を掬ってフォークリフトを動かし、急カーブハンドルを切り、鉄板から雪を振り落す。これは熟練者でないとできないでしょう。感の養成になります。これがフォークリフトでの除雪です。その時、フォークリフトの爪から一緒に鉄板も落ちてしまうという問題がありましが、鉄板が落ちないように工夫しました。上手くゆきました。これで安心して、フォークリフトは除雪に使えることになったわけです。おかげで風呂場まで除雪ができました。ご理解いただけたでしょうか。

雪は春になると消えますが、それまで待てない事情があります。
   石油を使わず薪で暖を取る。そのためにもチェーンソーを使います。

それからチェーンソーの修理で解ったことがあります。エンジン付きのチェーンソーはなかなか点火しないこともあります。古田さんは、動かないとあきらめてしまいます。そんな時私は言います。

「古田浅吉さんは動かそうという執念が弱い、そうしないと機械は動いてくれませんよ。機械も人間的付き合いと同じところがあります。そしてなぜ動かないか考えると、機械が教えてくれるのです。その発見が楽しいものです」

このように経験を踏まえ、豊実では新人の古田さんに、私は遠慮せずはっきり言います。けがもする、田舎はそんなにのんびりしているところではありません。近づけば厳しいもの、だんだんにそう感じるのではないでしょうか。