2009.01.24
さいの神
佐藤賢太郎

2009年1月17日船渡集落のさいの神が行われた。さいの神の燃やすススキなどは前年度秋に村人によって集められている。
 この17日当日午前10時に村人が集まり、さいの神に燃やす準備に1時間位かけて作る。この際前年度、神棚などに祭っていたお札などを持ち寄り、カヤの中に入れる。そして午後3時もう一度集落の人が集まり、いよいよさいの神が始まる。もちろん私は午前午後とも参加している。

はじめ宮代表がさいの神にお神酒をかけ、後2礼2拍手、これに合わせて集まった集落の人も同じくする。宮代表が「払い給え、清めたまえ、払い給い、清めたまえ、今年も村に邪気が入らぬように、そして皆が息災でありますように」と言うようなことを祈りました。そして年男が始めに火を点火します。今年は私であったため「賢太郎さん初めに火をつけて」と言われた。

それから青竹に酒を注ぎ飲みあい、やがて餅やスルメなどを長い竹のさおの先端にぶら下げ、さいの神の火で焼いて食べる。これを食べるとご利益があるというので食べます。これで3回目の参加ですが一年一年集落の方と接する機会を重ねて今年は若い方たちとも一歩さらに深まり嬉しく思いました。やがて私は年男として祝福で胴上げをされ雪の中に放り投げられた。こうしてさいの神は終盤に近づき、村人は三々五々と帰る。

春祭りにせよ、さいの神にせよこうした冬の行事は眼に見えない森羅万象を司る神の存在を意識した縄文から続いている精神文化なのかと思った。