2011.01.15
作品、つくる喜び
佐藤賢太郎

冬は毎年必ずやってくる。しかし、人生に同じ年はない。冬のあり様は同じではないが、今年は私にとって印象深い冬となった。

今、私は3月に二人展をひかえて彫刻や油絵の制作している。彫刻や絵も出品し、今までにない作品発表にしたいと思う。

切削した石の素材を見ながら、何か作品になりそうだと考えていた。数日後、今までにない全く新しい作品が生まれた。新しい作風を生むということは簡単なことではありませんので、今までと違った作品ができたときは嬉しいものです。

また、私は犬といつも一緒に石夢工房まで通っているのだが、その遊ぶ姿を作品にしようと思いつき、身近な愛犬チロも題材にした。

ところで、私は今までにない心境で制作に向かっている。私の作った作品が人の心を打つかどうかは解りませんが、今は作品を作ることができる一日一日に感謝しています。

ずっと以前、作品を制作中に電気丸ノコで指先を切ってしまった。このとき、何としても痛みを無駄にしないで作品をつくろうとの思いから、「這い上がれ」という作品が生まれた。

今回は、そのときとは違った心境である。誰にも共通する当たり前のことですが、作家もいつまでも作品を制作できるということはない。この先、長く生きられるかも知れないが、制作できる時間には限りがある、ということを意識したことです。

それは制作に当たり、私の場合は良いモチベーションを誘発することになりました。