2010.09.21
里山アート展新たな展開
佐藤賢太郎

今年も三々五々と作品の制作、設置に作家の皆さんがお出でになっています。
今までは作品展示会場として田んぼがメインで、水辺にはほんの少し置かれていました。今年は杉林、阿賀野川、昔、棚田のあった山の斜面、そして田んぼと会場はとても広がりました。

会場を広げると言うことは管理や整備がとても大変です。作家に集まっていただくだけでも大変なのに、会場を広げる余裕はなかったのですが、仲間の整備参加によって会場が広がってきました。

 会場が田んぼということで重い作品は展示に難しく、インスタレーションのものが多かったのです。田植え前には作品の移動もしなければなりませんので作品として年間通じて展示できません。そうした限定の中で里山アート展は開催されていました。今年は永久設置まで行きませんが、長く展示できる作品も出てまいりました。                         

それは、米を作る田んぼそのものの面積を狭くしても、アートをおこうと決意したからです。米が絶対主体なら生産効率が良くないので出来ません。

 安部さんの4メートルの作品がそうです。杉丸太の太い作品を田んぼの入り口に立てました。そして私の杉丸太の作品も田んぼの端に立てました。当然、そこにはトラクターは入りません。手植えをすることになります。ほんの少しの収穫量よりも過疎における田んぼの活用を優先にしました。

さらに里山アート展に手伝いをしてくださる地元の方と一杯飲んでいるとき、シーソーをあなたが作らないかと頼みましたら乗り気になってきました。来年はブランコも作ります。それに今年は橋も作りました。そうなると、ここは田んぼ公園になるのでないでしょうか。当然、ビオトープの生き物も観察でき、子供たちには素晴らしい教育環境になるかもしれません。

昨年も里山アート展は、子供連れの見学者がよく見受けられました。アート鑑賞だけでなく遊びが出来る場になれば、いっそう里山アート展に来場者が増えることでしょう。来年は田んぼのあぜ道や、池周辺を石畳みにいたします。  

こうした空間つくりはなかなかないものでしょう。アートで何が出来るかという一つの答にもなります。