2017.10.02
「里山アート展」のこれから
森紘一 

 9月30日(土曜日)、さわやかな秋空の下、第14回「里山アート展」が開幕した。「アートと生活」〜こころに感動を見つける〜 と題されている。

40点近い大小さまざまな作品はそれぞれにカラフルで、稲刈りの済んだ田んぼで思い切り手足を伸ばしている。近づいてよく見ると、使い古した自転車や農機具、日常の生活用具など多くの廃材が利用されている。まるで、リサイクルアート展のようだ。

“あるものを活かして、ないものを創る”これは里山アート展の真骨頂である。一点一点の作品には、タイトルと作者名の書き込まれた小さなプレートが建っている。作品とタイトルを見比べながら、うなったり、首を傾げたりするひと時は実に楽しい。作品を身近に感じたり、違和感をおぼえたり、遊び心をくすぐる謎かけ問答である。 

さらに、豊実駅寄りの和彩館前に「展示館」と看板の掛けられた室内会場がある。こちらには、大きな絵画やアート作品の個室がある。棟続きの「ホスト舘」は宿泊のできるゲストルームやシンポジウムの会場となる会議室もある。

 豊実周辺も、昨今は空き家がふえている。この建物も丸ごと借り受け、屋根張りから内装まで手づくりでリフォームしたコスモ夢舞台の新天地であり、作品である。

移住・定住者を促進する行政の動きに、コスモ夢舞台として連動した新しい試みであり、現在進行形でもある。 

 地元の人びとを中心にオープニングイベントとして開催された芸能・音楽会の後、懇親会が開かれた。和彩館は30名を超える人びとで満席状態となった。ご協力いただいた皆さんの後押しで、アート展が継続できていることを再認識する場となりました。本当にありがとうございました。

  その後、徐々に地元周辺や近在の皆さんが帰宅され、アート展に初回から参加いただいているプロ作家の間地さん、佐治さんを囲んで、仲間内のシンポジウム(?)となりました。会員の皆さんも一人ひとり、今回の作品や参加の経緯について感想を語りました。

ところで、作品づくりや参加する喜びは失せていないものの、我われが豊実に来る回数は諸々の事情で減少している。会員の高齢化を止める手立てもない。

いきおい、地元の佐藤さんや古田さん、大野さんの仕事量はふえている。この偏りをどう打破していくかが、話の中心となってきた。

  「今年は、特にくたびれた」、「来年もやれるかどうかは分からない」という佐藤さんや大野さんの感想は、我われも重く受け止めなければならない。

 「展示館」や「ホスト館」の改修工事を含めて、それだけ豊実周辺の変化は、我われには新鮮であり驚きであったわけだ。

 こうして会合終了間際には、7月〜9月の間に少なくとも一回は草刈り作業に豊実に出向くというローテーションを、東京ブロックでも一人ひとりが検討していこうという合意が、暗黙の裡につくられていった。 

 翌朝(10/1)、佐藤さんの発案で朝食後に作品鑑賞の会場巡りが行われた。
会員の出品作品については、それぞれが作品づくりの苦労や喜びを語りました。
そこに佐藤さんが、プロとしての解説を加えました。

作品の見方や鑑賞方法については、「なるほど」と唸るばかりで、アマチュアとして参加している我々へのアドバイスも的確でした。ペンキの色選び、塗り方ひとつで変わるアートの楽しさを知る思いでした。 

 15回目の開催となる来年の里山アート展は、会期中に会場案内する鑑賞ツアーを何回か組み、来場される見学者の皆さんに、佐藤さんの案内でアートをより身近に感じてもらいたいものです。