2012.10.25
第9回里山アート展に際し4
佐藤賢太郎

今年で里山アート展は9回目を迎えた。自然豊かな地であるが、ここは過疎化が著しい地域、そこに私は帰ってきた。私は仕事としてアート活動をしてきたが、この地に仲間と力を合わせ、共に夢を描けないかと里山アート展を開始した。過疎の活性化から始まったが、このアート展も年々変化しテーマも絞り込んできた。今はアートで何ができるかを検証しているのが里山アート展でもある。

今年はそれが顕著になってきたと思える。

1)アート展会場が田畑やSLの走る線路、阿賀野川沿いの自然を生かした美しい風景になった。2)名もない豊実という田舎に首都圏の作家も集まっている。3)地域の芸能発表の場として地元の方が集まるようになった。それによって、地元の方がアートに親しみを覚えた。4)会場にビオトープを見学できるコーナーができた。5)新聞、テレビなどマスコミに、この地域が常に取り上げられるようになり、知

名度が上がった。6)地元の小学生児童が里山アート展に参加することによって、教育や地域に対する新風を送ることになった。7)障害者の方々や大学生のアート展参加が新たな展開となっている。8)アート展の初日に販売店を開くことにより、会場設営などで地元若者との接点が生まれてきた。9)遠路から里山アート展に参加する方もふえ、地元地域との交流が広がっている。10)イベントによって人が集まり、店にも賑わいが見られ、地元物産の販売が促進されている。

何もない田舎、素通りする地域が里山アート展によって規模は小さいが確実にこのような効果がもたらされている。まさにアートによって何ができるかを具体的にあげてみました。

このように里山アート展が回を重ねることは、過疎地と若者を繋ぐ一歩一歩となっている。そして今回、原発放射能で苦難する郡山の障害者たちの参加で、「アートで何ができるか?」に新たな答えを実感した。  

その意味でも遊歩道再整備によって、車いすで田んぼのあぜ道からアートを見ることができた効果は大きかった。アートを鑑賞することは、日常生活に結び付いた行動である。

最後に全てこれらは、人間力、創造性が必要であることは言うまでもない。