2010.09.09
里山アート展に集まる作家
佐藤賢太郎

作品つくりに吉田冨久一さんと長谷川千賀子さんが、午前9時に東京を出て夜11時頃引越しのようにトラック満載にして豊実に到着しました。お休みになる前1時間くらい、里山アート展の想いを語り合った。

吉田冨久一さんは阿賀野川にアートを浮かべるらしい。それは川の浄化という社会性を考えてのことであった。吉田さんは、アートが鑑賞対象でしかないのではアートのもつ意義が十分ではないと、自ら社会芸術を提唱している。それで、私が主宰している里山アート展に関心を寄せていただいていることがはっきり解った。   

私は、新潟県でも一番過疎率の高い観光地でもない阿賀町に野外アート展を開催する意味を語った。過疎化現象は全国どこにでも見られるが、一般的にはお城や歴史、温泉や物産観光などによって集客化をはかろうと考えられている。               

私はそういうものが何もない地域で魅力を創ろうとしている。たとえば森林が荒れて田んぼが消滅してゆく、そんなところにアートを置いてみる。そこから環境整備やその環境自体を考えてみる機会が与えられ、ものの見方を斬新にしてくれるだろう。それは何もこの地域に限定したことではないと思う。都市に住む人でも現代にどう生きるかを考えていただきたい、という私のメッセージが込められている。

私は「長谷川さんは公募展にも出している。私も経験があるが、そこにはない取り組み方がこの里山アート展にある。今、話した意思を共通認識とする作家が集まる里山アート展にしてみたい。それは素晴らしいことではないか。人数はそんなに多くなくてもいい。アートで何が出来るかという問いかけでもあると思う」と言いました。長谷川さんも頷いて聞いてくれていた。          

   さて、今日は長谷川さんが作品設置をする日です。どんな展開になるのか、どんな新風を豊実に起してくれるか、楽しみである。