2015.09.29
日出谷小学校里山アート展参加2
佐藤賢太郎 

今年も日出谷小学校の生徒が里山アート展に参加することになった。ところで、今までとは少し参加の仕方が違います。作家や先生たちの指導で作品を作るのではなく、自分たちで考え、つくることを求めてきたのです。それを応援してくれるのは、里山アート展への参加が大切な教育になると考えた教頭先生であると思います。私の考える里山アート展について教頭先生に述べますと、全く同意するとのことでありました。 

私に会い、話を聞く日程や予定、その電話を生徒がしてきました。作品を作る前に、挨拶をしっかりできることが大切ですと話しました。生徒から質問があり、テーマは何ですかなど6年生一人ひとりから質問がありました。その後に、制作する意義や注意点、その他について生徒と和彩館で話し合いました。周囲にある材料を生かし、考えることがとても大切であることなどを話しました。もちろん、先生たちに手伝っていただくことは問題ありません。つくる作品(?)は、学校での生活とその風景を3点つくるそうです。6年生が低学年をグループ分けしたそれぞれのリーダーになって制作するとのことです。

事前に材料をいただきたいと先生が工房にやってきて、運んでいきました。そして制作当日、学校の全員である生徒16人が集合して、このようなものを作りたいと設計図を見せてくれました。私の話の後に制作にかかりました。テーマに沿って楽しいことを風景にするその発想がとても良いです。先生が決めたのではないのです。生徒たちが決めたようです。 生徒たちは、嬉々として作っていました。のこぎりや金槌を手に、体を動かしているのです。もちろん、先生たちも手伝っていました。私はこの風景を見てとてもうれしくなりました。

周囲にある材料で作品を作る工夫、そして何を作るかを話し合い、その場に応じて考え変更する。凄い教育の場ではありませんか。今日、教育の現場では労働をすること、汗を流す大切さを避け、安全だけを優先にする風潮があります。感動は苦労や危険な労働を伴います。それをしたくないというのは、大人が責任を取りたくない事なかれ主義なのではないかと思います。日本の学生や児童生徒に、もっとも欠けているのはこのようなことではないかと感じています。 

そうさせているのも大人たちです。今回作ったのは、キットで組み合わせる作品でありません。まさに「アートと生活」です。

参加する新潟大学生に私が感じてほしいのは、この里山アート展を開催するには草刈や環境整備は大前提のことだということです。 

それを誰がするか、作品を作る以上にそこに価値を見いだしてほしいと思います。限界集落を魅力あるところに変え、故郷を守るための「里山アート展」なのです。