2009.10.19
里山アート展見学風景2
佐藤賢太郎

白磁を作る会津本郷の陶芸家の田崎さん夫妻が突然訪ねてこられた。しばらく和彩館で歓談してから会場に行った。2人とも愛情をもって楽しみながら作品を鑑賞していた。こうして触れるのもいいね、と吉田さんの「大地の鼓動」に触っていた。ビオトープの池の説明をした。

いつも言うことだが、アートは創造力がとても大切である。私は日ごろ作らない抽象作品をこの里山アート展ではつくる。抽象作品とはまさに創造である。まさに0である。何かを見て模倣をするのではなく、「空」から造形を作るところに面白さがある。ベニア板を使って何を作るか、そこが創造です、と言って私の作品の説明をした。

さらに、彼らを大野さんの作った「ありし日」と私が勝手に題名をつけた田んぼに案内した。そこには、こんなところに田んぼが昔あったという驚きがある。そこを田んぼにしてイネを植え、実りが見えるように作り、形として証言してくださったのが大野さんであった。これがアートなのかと言われるかもしれないが、私には立派なアートに見える。もちろん大野さん一人で作ったのではない、多くの仲間が汗して階段づくりをした共同作品であろう。      

ほほえましいのは、昔の田んぼを見るには坂道が厳しいので手を取り合って登ってゆく田崎さん夫妻であった。彼は来年里山アート展に参加することになった。