2007.8.6
ホームルーム合宿

大学卒業後私と共に同じ高校の教師として赴任し、友人でもある森英夫さんが私の郷里、コスモ夢舞台にクラスの生徒4人を連れて体験学習をされました。そのおもうところを書きました。

8月4日
   到着してすぐ体験学習の初めは2トントラック一杯にまきを運ぶことになった。炎天下の中で汗だらだら流しながらトラックに積み、そしておろす。今まで来訪した生徒の中で一番動きがいいようであった。もちろん先生の森さんも汗流し流し薪をトラックに積んでいた。私はまきもらいはよそのうちに行くのだから、挨拶をきちんとする事だ、いいなとまず約束させる。「はい」と言う。2回運び終わってからそのお宅に生徒を連れた挨拶に行った。「ありがとうございました」と言うと生徒も同じように挨拶する。事前に言い聞かせていた。するとおじいちゃんとおばあちゃんが冷たい飲み物とも揚げもちを出してくださった。ありがとうございますと生徒もいただいた。目を細めて又来てねとのお年寄りの会話がとてもよかった。彼らに私は言った。「あいさつは大事だろうあれが知らん顔して帰ったらどうなった、なんだあいつらはと寂しい人間関係になるよ」と。
  
   さて薪おろしが終わって水遊びをしたいと言う彼らの希望に応えようとした。かれらは元気なのでただ楽しむためにもう一つ関門がある、それは私と相撲して勝ったものが川に入れると言う事にした。
   高校生であっても体が華奢な彼らであるので私にはなどしても勝てない、それを見ていた犬リキが自分も相撲するという態度で私に何度も土俵に向ってきたのは面白かった。彼らも笑っていた。
   きりが無いので小川に入った。彼らは喜んだ。森先生も泳いだ。先生子供みたいと生徒は言っていた。「夕ご飯だ、帰るぞ」というともうと言ったが切り上げた。このタイミングがいい。汗をながして遊びは少しの時間。この反対が彼らの生活パターンである。
   夜は石夢工房でゴザを敷いて星を眺めていた。とても気持ちがいい。明日は此処で寝ようかと世なった話になった。

8月5日
   6時朝仕事クイつくりをしたもう暑い、なかなかはかどらない。ようやくできたクイをトラックに積んで午前はくい打ちそして森先生は黙々と草刈、生徒も一人草刈。暑いと言うので水芭蕉のたんぼに入れて草取りをさせた、疲れたの動きが鈍くなってきた。
   さて午後は天井はりとなった。地上では森先生が電気ノコギリで板材を寸法に合わせどんどん作る。屋根の上では手ノコギリで切る役、そしてもう一組は屋根裏に上がり中腰、電動ネジで板を貼り付ける。この辺から疲れた疲れた、腰が痛い限界と連発する生徒。もう少しだ頑張れとやらせきる苦労があった。だらだらしながらも何とか進んできた。
   そして夜が来た。夜屋根の上で星を見ながら寝てみようとなった。私も森先生も同じ様に生徒と寝ることにした。星の名前を教えた昨日とは違いごそごそ彼らはしていた。山に来たのだから携帯は無い方がいい、自然の中で暮らす絶好の機会だからだ。寝る前にうるさいから携帯による音楽は消せと強く言った。それは守ったが夜中彼らは女の子と電話や、メールをしていたようである。

   学校でないので校則を守らせると言うようなものではなく、彼らの希望少し入れないと魚はつれないといったような適当な感覚であたることにした。しかしだめなものはだめ。夕食時私たちは生徒の前でビールを飲み彼らはお茶。ともかく明日は午前5時起床5時半出初の草刈と予告していたにもかかわらず遅い寝つきであった。朝眠いと言っていたが「そんなこと自己責任だ関係ない」と言い切る。これにも森先生もそうだそうだ「甘えるな」。と言い切る。
   草刈は町のボランティア活動のひとつであった。草むしりはちっとも進まなく座り込んでしまう彼らであった。出も此処まで来た事に意義があった。朝食終え電車に乗るまで天井はりをやらせることにした。又疲れた腰がいたの連発。でも9分どおり終えた。
   最後に一言生徒に感想を言わせた。普段できない体験をしたと異口同音に言っていた。

   私から彼等に最後の言葉と言った。来小見たちはだらだらしたところはあったが今までの中で一番動いた方だ。とにかく薪運び、屋根はり、くい打ちはやりきった。自信は持っていい。それに森先生のできないロープでナンキン結びもできた。人間に魅力を感じると言うのは一生懸命な人間、やりきるチカラがあることだ。成績ばかりでない。女の子にとっても関心があるようだが、女の子だってたくましい男に魅力に感じると思うよ。口先だけでは魅力なんて直ぐ消えてしまうよ。実効の無い人間関係は物足りなく飽きてしまう。携帯メールにしたって内容が無い事ではつまらない、やりきる事をもつ事だ。
  みんなつらい腰が痛いと言うがもう一歩と言うところを乗り越えるそこができない、屋根裏だって一部残したのとやりきったのでは天と地の差はあるよ。見て分かるだろうと言った。
   最後に汽車の見送りにホームに上がった。彼らの一人が握手をもとめてきたが笑顔をもってお別れができた。

ともかく桃源塾には塾則がある。

1.               返事、あいさつをしっかりする

2.               体を動かし、一生懸命に取組む、やりきる体験する

3.               たくましさを身に着ける(虫や不便さに驚かない、自力)

4.               塾側を守らないと時にはものすごく怒る

5.               早寝早起き、お客様扱いはしない

6.               夢をもつ事の大切さ、さまざま体験を教える

   最後に森英夫先生もおしゃっていたが先生が生徒の前で体験学習をする事。それは親だって同じこと。指示しているだけでは生徒は動かない。現在日本社会は問題が多くて教育がとっても難しい。その答えがここにあるように思う。だからこそ成果の出せる塾ができることを希望する。(佐藤賢太郎)