2018.08.07
里山アート展に向けて思ったこと
吉田麻希

    8/1に豊実へ来てから丁度1週間が経った今日、ある決心をしました。

   それは、9/29から始まる「里山アート展」に向けてオリジナルの作品を制作することです。

   里山アート展には、賢太郎先生の制作途中であった作品を引き継いで補正するという形で作品を出品する予定でした。また、賢太郎先生からは「里山アート展」のプロモーション動画の制作のお願いを受けておりました。ですが、豊実に来てまだ1週間。馴染むので精一杯の私が、先生の作品を引き継ぐというのは、どうも身に余ることだと徐々に感じ始め、また、動画制作は以前から仕事としてやっておりましたので、動画を作るとなると、事務的な気持ちで豊実の景色を撮影してしまうかもしれないなと不安も感じており、「里山アート展」及び豊実との接し方に悩んでおりました。

    しかし、この1週間で私は、豊実で自然と戯れたいという気持ちを強く持っていることに気づきました。賢太郎先生に連れてってもらった星が綺麗に見られる場所や、トタン屋根を釘打ちしている中で見上げる大きな空など、私は賢太郎先生から、自然との戯れ方を教えてもらっているのだと感じます。先生自身がそう考えてらっしゃるかどうかの話ではなく、私自身が先生の与えてくださる環境の中で、それらを感じ取っているのです。そこで私は、豊実へ来て感じ取った風景や感動を表現したいと思いました。私は、豊実にきてこう感じているんだということを他人に知って欲しくなったのです。また、これまで「映像」を作ってきて私に備わったものは、「切り取る」という行為であることにも気づきました。カメラのレンズで多くのものを切り取ってきました。そうした気づきから、豊実で私が感動した風景を「切り取る」アート作品を制作することに決めました。

    そして、作品を制作する中で、自分が感じている豊実への理解が益々深まっていくだろうと思います。自分が今まで作ってきたように映像を作っても絶対に理解は深まりません。知らない土地に来たからこそ、そこで流れている文脈に沿った作り方をすることが理解を深める上で大事なんだと思います。

    豊実にきて初めてのことばかりで齷齪していた私ですが、今はどんなものが生まれるか楽しみでなりません。