2011.05.15
体験学習始まる
鈴木隆雄

59日(月)~13日(金) 体験学習のシーズンが始まった。

今年は特別な思いで東北自動車道、磐越自動車道を車で走り阿賀町豊実に着いた。白川を過ぎる辺りから大震災の影響で道路に段差の箇所、路肩の補強工事などが見られた。

里山は全山淡い新緑に覆われ、阿賀野川の川面は雪解け水にその緑を映していた。年年歳歳花相似たりとよく云われるが、岩手県・宮城県・福島県・茨城県の太平洋岸に面した生活圏と景勝地、その風景が一変し、自然の脅威の前に立ち尽くすしかない現実があった。

大震災発生から2か月が過ぎ、避難所生活で不自由を強いられている方々が大勢いる。この様な中、東京都、千葉県から元気な中学生が体験学習に震災の影響のない阿賀町に来てくれた。

佐藤家で体験していただくメニューはその季節によって違いはあるが、今回は山に入ってワラビ採り、雪の重みで裂けた杉の丸太や枝の運搬、薪割り、風呂焚き、部屋の掃除、食事の手伝いなどの生活体験をしていただいた。

 特に生徒に言い聞かせていることは、元気よくあいさつをする、返事をすること。食生活を大切にすることを生活体験の基本にしている。

東京都から来られた中学1年男子生徒4名、千葉県から来られた中学3年男子生徒4名それぞれ3日間生活体験をしていただいたが、何れの生徒も素直で元気よく真面目に一所懸命取り組んでいる姿に感心させられた。

 班長の生徒は、メモ帳に民家の家族の名前や、だされた食事の食材を丹念に書とめ記録していた。配膳、片付け、食器洗いを流れ作業で手際よくしてくれたのも今までになかったことだった。また、夕食後に交流会をもちたいと生徒から呼びかけられ、生徒から出された質問に答えるといった楽しいひと時も今までになかったことだった。

 体験学習で出会った生徒の姿を見させていただき、生徒を守っている背景には、ご両親や学校生活でご指導されている先生方の影響を感じることができました。

 これから先、厳しい時代を担う子供たちの元気に、力を頂いた思いのする5日間でした