2011.05.12
愉しい中学生
佐藤賢太郎 

今年も首都圏から阿賀町に体験学習にやってきた。震災のせいか例年になく少ない5月2校であった。しかしながら千葉からやってきた中学3年生は4人そろって素直で明るい。

その中に班長ではないが、班を盛り上げリードする子がいた。そのハキハキして陽気な生徒は到着早々自ら自己紹介します。そして私たちのことを「お父さんお母さん、鈴木さんと呼んでもいいですか」と言った。勿論、私たちはそうして欲しかった。

桃源の湯に入ってから夕食です。風呂から上がってくると「素晴らしい風呂でした、私たちはこの民家にこられてとってもラッキーでした。」と言う。

そして明るく楽しい食事でした。ただ今から性格診断しますと言いながら好きな食べ物は次の中から選んでください。何ですかと家内に尋ねました。家内はスイカというと「それは変わり者」と診断されました。続いて私とSさんも診断されました。

さて「ご馳走様でした」を終わり、食器を重ねてくださいと言うと「私たちが皿を洗います。」本当に手分けして洗い出しました。普段から洗っているのと聞きますと、家ではやっていないそうです。笑ってしまいます。

さて明日の作業予定ついて話しました。朝は山菜取り、朝食後、杉の枝運搬です。杉の枝運搬をすると村の方は大変喜びます。家のまわりがきれいになって「中学生が来てくれて助かる」そう期待されていることを教えました。

そして「その杉枝でみんなが風呂を沸かし、風呂に入ることができるんだよ。」と言いますと、彼らは「よし頑張ろう」そんな答が返ってきます。いわゆる優秀というのではなく、人間として本当に素直で素晴らしい。

こんなに素直な子が今時いるのかと感心し、心洗われる思いです。家内は一寸体調が悪いと言っていたのですが、この子と接していると元気になりました。

そんな生徒と楽しい夕食時、その雰囲気を知らない古木修冶さんから電話があり「佐藤さん元気ですね」とおっしゃった。私は「元気に生きています」と答えました。

人は人によって明るく勇気付けられるものです。Sさんと私は「このような体験はしなければ感じられないでしょうね。」と満足げに話していました。

翌日、懸命に杉の枝を運んでいた。そして昼食に10割そばをことのほか喜んで食べていた。そこに20日、和彩館で新潟一番のテレビ中継があるため、打ち合わせにディレクターの方がやってきた、生徒たちは一段と関心をもった。私はディレクターの方に僭越ながら「報道は殺した、いじめたそんなショッキングなことばかり取り上げがちですが、このような素直な素晴らしい子たちを取材してください。きっと世の中によい影響を与えるでしょう」などと言った。

人は素直で明るい姿を見せられることによって、多くの方に癒しの心を与え、素晴らしい希望を与えるものです。来訪される生徒は実にさまざまです、つかの間の天子が私たちを励ましてくれるようにやって来たようで、つい彼らに「また来て欲しいね」と言った。子供の姿は大人と家庭の反映であります。