2007.06.24〜25
体験学習・T高等学校生

埼玉県のT高校生4人が体験学習で和彩館を訪れた。
定時制高校ということで、日中働き夜、学校へ行っているという。
人の中で人に成るという言い方があるが、まさに他人さまの中でもまれるということはこれほどまでに人を育てるのだろうかと思えるくらいしっかりとしていて落ち着いている。

新潟といえども梅雨の晴れ間で蒸し暑い中、最初の体験に入る。
指導に当たるのは、タイミングよく来ていた佐藤さんの高校の同級生・Tさんと筆者である。
悠悠亭の屋根葺きの足場に使った丸太と間伐した杉木材をトラックに積み石夢工房へ運ぶ作業である。力仕事ははじめての経験というが、嫌な顔一つせず動きは良い。次に風呂の掃除と薪割りをやってもらうがいつもながら、薪割り作業の人気度は高い。

銭湯に入った経験があるのは1人だけということなので、風呂に入るに当たってのマナーと共同生活のルールについて説明すると熱心に耳を傾けてくれる。その効果があったのかどうか、風呂から上がった後の整理整頓は今までの中でトップクラスである。

夕食は、滔滔亭で行ったが、4人とも申し合わせたようにジンベエ姿で颯爽と登場した。滔滔亭の雰囲気にピッタリである。
Tさんが持ってきてくれた魚類とカレーライスをいただいたが、中学生と比べるとやはり高校生の食欲は桁違いである。

翌日、田植えを体験させるために新潟からわざわざFさんが来てくれて、新田と香り米の苗の準備してくれたのだが、雨のため諦めるしかなかった。といっても6時からの朝仕事は実行する。軽めの作業ではあるが、水鏡の小径で三つ葉摘みを行う。 

縄文館では真剣に聞いてくれるのでこちらも熱が入る。感想を聴いてみると二人からしか意見が出ない。正解というものはないわけだから、こんなときは、間違っても良いので一言、発言するようにと進めると、的確な答えが残りの2人から返ってきた。実に素直な子たちである。

この後、美術館の見学、 ぎゃらりー和彩館の壁改修のためのヨシズ剥がし、押し寿司作りと短い時間ではあったが、目一杯体験してもらった。
これからの人生の中で、ここでの一時を思い出してくれることがあれば良いな、そんな思いで集合場所へ向かう生徒たちを送り出した。(御沓一敏)