2017.07.11

佐藤賢太郎

 私が2006年秋に豊実に帰ってきたとき、田んぼに蛍はいなかった。蛍の川を作ってもう何年になるか定かではないが、里山アート展が今年で14年目ですから、10年以上になるでしょう。

今年は今までの中で、蛍が一番発生しているように思います。今まで様々な努力をしてまいりました。長い年月を経て今では田んぼ一面に見られるようになり、嬉しくなります。

 蛍が出る郷になってきましたが、ある時はカワニナのえさになるようにと蛍の川にキャベツをまいたりもしました。また、ある年は流れる川底に石を敷きました。無農薬の田んぼを継続し、カワニナを育成し、水が安定して流れるようにしています。

私は毎朝、犬を連れて田んぼの様子を見ています。今朝はオニヤンマがヤゴから脱皮したばかりの光景を見ました。まさにこの時間は、私にとって自然の中で暮らしていることを実感する時なのです。

振り返れば、使われていない田んぼに村の方の参加をしていただき、水芭蕉を植えた日のことを思いだします。そして仲間と池を作った重労働をしたことも思い出すます。そこを歩けるように、頂いた凄い数のU字溝のコンクリートを敷きました。そして、大がかりなセメントポンプ車でセメントを敷き、障害者も車いすで周遊できるように道を作りました。

 そして今年、「こころの泉」と題して田んぼの水路で噴水を作りました。湧き出る噴水を見ると人に希望を与えます。まだ終わったわけではありません。田んぼが、より素晴らしくなるために努力しています。田んぼに水が流れるようにとパイプを使わなければならなくなりました。なぜなら水が田圃に入る前に地下に抜けてしまうこともたびたびです。しかしパイプを使っても蛍が出るように配慮しています。

贅沢の極みですが、疲れの後には桃源の湯に浸り、絶景に癒されます。