2010.06.25
迎えてくれた蛍たち
佐藤賢太郎

蛍の小川を作って5年くらいたつのだろうか。昔は一杯いた蛍が一匹もいなくなり、田舎の魅力が一つなくなっていた。そこでコスモ夢舞台は蛍の小川を作ったところ、2年目から蛍が見られるようになった。しかしそれは眼をさらのようにして、ようやく見つけられる程度であった。

蛍は6月中旬から7月上旬その姿を見せるが、今年も蛍の小川に現れた。家内は8時ころ、蛍が眠る前に観に行こうと私を誘った。

なんと今夜は蛍が一杯飛んでいた。小川を作って初めてのことだった。家内は「私達が来るのを出迎えているようだ」と言って喜んだ。

夜露に当たりながらも、田んぼのあぜ道を歩いて蛍のそばまで行ってみた。蛍の小川の草むらに蛍たちがあちらこちらに点滅していた。家内は飛んでいる蛍のそばに手を差し伸べると、蛍が手に止まった。淡い黄色い光が点滅していた。「幸せだな」と家内は言葉にした。少したって私は「ふっ」と息をかけると蛍は手のひらから落ち、草むらで光っていた。

自宅への帰り道、「蛍が追いかけてくるみたい」と家内が言った。今では体験学習で泊まる生徒たちにも見せることができ、生徒たちも蛍を見てとても喜んでいる。

以前は、蛍なんか出ないといっていた方もいたが、今ではこのように現れるようになった。強い夢を持っていればこそ実現するものです。何と言ってもコスモ夢舞台の素晴らしい仲間がいることで、蛍をよみがえらせることができた。こうしてまたひとつ夢が実現したのです。