2013.09.04
周遊できる田んぼ歩道完成
佐藤賢太郎

 田んぼのあぜ道に石畳を敷いているところは、日本はおろか、おそらく世界中でもないかもしれない。大規模ではないが、とても稀なことでないかと思う。第一、畦道に石畳など考えないと人は言う。

 エストニアからエレルへイン少女合唱団が来日された折、コスモ夢舞台訪問があり、彼女たちは田んぼで歌を歌うことになった。その木製のステージつくりから始まり、田んぼ夢舞台祭りの度に毎年舞台設営はとても厳しかった。そこで、畦道を石畳にすればメンテナンスもいらなくなり搬出入しなくてよいと考え、石を安く購入できることもあり、石畳の舞台を設置することになった。

 石畳はメイン以外の畦道も敷くことにしたが、これがかなりの労働が必要であった。捨てられたU字溝を使って基礎を作り、38度の炎天下、大野さんと二人で石を敷いた時もあった。二度とあんなことはできないだろうと振り返る。しかし石畳は、味わいがあるが歩くのは凸凹があり、実用的ではなかった。しかも石と石の間からは雑草が生えて、草取りも容易ではなかった。ここまでは自前の資金で行っていた。

 昨年、公益信託にいがたサポートファンドの地域おこし助成制度を知り、早速応募してプレゼンテーションしたところ、ありがたくも認可を頂くことになった。この助成によって凸凹のあぜ道をコンクリートで平らにし、その他も歩道を延長することができた。 

メダカの見えるビオトープ広場も石畳化し、そこに彫刻作品を並べ、アスレチックコーナーや案内看板も設置することができた。そして、そこに車いすの障害者も集った。

 あとは田んぼを周遊できる歩道と駐車場があればほぼ完成するだけになり、私はなんとしてもこれを成し遂げたい思いに駆られた。

そして、今年で助成を終了すると言う公益信託にいがたサポートファンドに二度目の申請をしたところ、何と認可していただくことになり、最低限ではあるが夢がかなうと確信した。

 早速業者を交えながら、大野さん、山ノ内さん、地元の豊一さん私と天候不順にもかかわらず9月2日(月)に工事を決行した。最後になりものすごい雨となり、ビニールをコンクリートにかけながら作業をすることになった。そして工事は終わった。

なぜか私は肩の荷が下り、精神的に本当に疲れてしまった。それだけ私にとっては、力を入れていたプロジェクトであった。

これで健常者も障害者も、田んぼを周遊できる素晴らしい空間を楽しむことができるだろう。その光景が目に浮かんでくる。