2007.8.2
体験学習に参加して感じたこと
森 紘一

NPO奥阿賀ネットワークが主催する体験教育の受け入れ先のひとつとして、「和彩館」で展開している体験学習は、わたしにとっては楽しい思い出となった。はたして、子供たちと親御さん、学校側はどんな感想をもたれただろうか。二泊三日の体験は、わたしにとってはこれからの「コスモ夢舞台」を考えるよい機会ともなった。

E中学の場合は、校長先生と担当教師が熱心に宿泊先を巡回されたようで、賢太郎さんとマキ子さんは二日目に面談したという。家庭や学校では学習できない何かがあって、そこに期待が寄せられているとすれば、それはどんなことだろうか。
   豊実にあるのは、大きな自然とそこに住む人びとの平凡な日常である。学ぶべきものは、人びとの自然との共存ぶりであり、農業を中心に暮らしを立てる生活の知恵、人びとの生きる力ということになるだろうか。                             

ところで、ご多分にもれず豊実も高齢化が進み、過疎の村にはこれといった地場産業もない。今、我われが賢太郎さんのいう“アートは地域おこしになるか”という課題にとりくんでいる背景もここにあるわけだ。                    
   今年で4回目になる里山アート展や9月の演奏会、11月のシンポジウムや国際交流会といったイベントは、ぜひ成功させなければならないし、また、それぞれが独自の企画でありながら相互に連係していることもあらためて確認しておきたいことである。
   さらにいえば、コスモ夢舞台の「寺子屋」構想を一歩前に押し進めていくチャンスが来たのではないだろうか。中高生に限らず、“楽しみながら技を磨く田舎の学校”として広く体験学習を呼びかけてはどうだろう。「石夢工房」に宿泊して農業とアートを体験する二泊三日程度のツアー企画を定着させていくことは不可能だろうか?

8月中旬からは、ポルトガルのアーティストふたりが二週間、石夢工房に寄宿し賢太郎さんと彫刻の制作競演活動に入るという。HPの投稿によると、森幹事長も教え子の有志5名を連れて今日から豊実で合宿だという。体験学習のいろいろなケースが出てくることは結構なことだと思う。ふくろう会員も迎え入れる側を一人でも多くの方が経験し実践しながら、寺子屋の経営を語り合っていきたいものです。

“人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ”(ロバート・フルガム)という有名な言葉がありますが、小さな村の大きな夢としてコスモ夢舞台を「幼稚園の砂場」に変えていきたいものですね。(終)