2006.11.23
昔の道、再現

コスモ夢舞台も里山アートやシンポジウムを開催するようになり、建物の建設もほぼ終了した本年、豊実の自然豊かな環境を生かして、そこに付加価値をつけようと思うようになった。そこで、ここを訪れた方に滔滔亭からふくろう会館&アートギャラリーに行くまでの間、阿賀野川の淵に沿って、昔使っていた小径を歩いていただこうと考えた。

村の有志と共に草刈や枝払いをして、どうにか歩ける道となった。淵に立つと鏡のように山の紅葉を映す川面、そしてそれを屏風のようにさえぎり垂直にそびえる山は人の心を新鮮な世界に招き入れる。

小径は数人の人が歩き、やがて多くの人が歩いて道になる。そう思い、毎日この小径を愛犬と歩いてみようと実行している。歩いてみると、晴れた朝、雨の日、霧の日、季節の移ろいと共に川や山はその日によってさまざまな表情を見せてくれる。

この風景を眺めながら静かに感じることがあった。鮭が生まれた川から遥か大海にたどり着き、そこで住みやがて郷里の川に戻ってくる

長い間、郷里を離れ、夢を求めて旅をした。そして今、ようやく帰ってきた、自分が鮭の姿のように思えてきた。この川岸は子供の頃魚釣りをしていた。今、私はコスモ夢舞台の道として歩いている。但し、私一人で川に戻ってきたのではなく、遥かなる縄文の住人と共に帰ってきた。(佐藤賢太郎)