2006.02.06

自然を体感する 

豊実という所は海抜100メートル。山奥なのその数値に意外に思う方が多い。それでいて新潟から会津に抜けるまで一番雪の深く寒いところです。地形がそうさせているのでしょう。だから米も野菜もおいしいものができる。自然を体感するには厳しい冬の季節にその地に立つことだと思った。秋や春では体感できないものがある。
 冬は水墨画のような風景に変る。冬は静かで、透き通るような空気に包まれている。夕闇の前、山の頂にポツリと一つの星が輝く。ポツリと一つが何ともいえない自然を感じる。
山や木々を眠らせるように白く覆う雪。川は凍るように硬く冷たい深緑、その川面に白く描かれる凛とした風景。雪の朝、木々の枝葉は白く包まれとても美しい。何も見えないほど吹き荒れる雪。雪は人も植物も生き物全て皆静かにさせる。時折聞こえる小鳥の声。
 冬は厳しくて苦手と言う方も多いと思う。しかし私は、その厳しさの中にこそホンモノを味わえると住んでみて感じた。
 こんな冬の風景、雪の坂道をゆっくり歩いて見ませんか。きっと自然との交信ができるでしょう(佐藤賢太郎)