2007.03.13
春の吹雪 

今年は雪の冬がないまま春になるのかと思っていた。3月中旬に近づいて突如、吹雪の日が続いている。冬に戻った。ある意味では少し安堵した人もいるだろう。
  ところで、雪が降らないと思った蛙は田んぼに卵を産んだ。かわいらしい生命、そのおたまじゃくしの卵はどうなるのかと心配する。ふきのとうもすっぽり幸に包まれてしまった。
 吹雪体験したことありますか。空は灰色、前が見えないほど雪が吹き付ける。私はそんなの中、仕事のため石夢工房に歩いてゆく。正直一瞬ひるむ心が出る。顔に雪がピチピチあたる。アトリエに着くと山が唸りゴウゴウという吹雪の音がする。谷や木々に吹雪が当たる音である。谷の向こうに白く舞い上がる白い雪。こうした景色を目にすること、歩くということは自然を肌で体感する一番よい手段であるし、これが自然に溶け込むことなのだろう。寒さが嫌いという方は体験できないだろう。しかしこの吹雪体験ツアーもいいものだと思った。生活でなく吹雪を体験するということでなかったら体験できることだと思った。
 私はここに住まなければならない環境におかれた。それを前向きに受け止めるとこうなると言いたかった。ギリシャに行ったときも自分の慣れた生活を捨てるしかなかった、だからからこそ記録をしようと思った。これも前向きの生き方であろう。概してマンネリ化するが人間も動物も慣れた処にいたいものです。でもたまには新しい空気、精神に触れるということが感動を呼ぶのだろうと春の吹雪に思った。
 少しきつい事がホンモノであることは確かである。(佐藤賢太郎)