2009.12.

2023.7.15
ある会合
森紘一

 盆の迎え火を間近に控えた7月11日(火)、京浜東北線川口駅西口の瀟洒な文化センタービルの一角で、昼食を兼ねてある会合が開かれた。新潟から旅行の帰路上京されたKさんの他は関東首都圏からの出席者で、総勢9名は高齢者ばかりである。

 Kさんが上京されたのには理由がある。この春予期せぬ体調不良で検査入院したKさんは、そこで軽い脳溢血を告げられた。その後回復したが、健康管理には万全の注意を払っている。

 Kさんは我々の所属するNPO法人の会計を担当し、決算書の作成などに当たっている。細かな事務作業をこなす後継者問題については、誰よりも早く心配されていた。今回は丁度良い機会なので、「会計処理の現状と法人のこれから」について、皆さんに知っていただき、話し合う時間をいただきたいということで参加された。

 コロナウイルスが5類に移管され、感染者数に一喜一憂することはなくなったが、この3年間の空白は痛かった。我々も出かける機会が激減し、仲間と接する機会も少なくなった。コミュ二ケーション不足は、えてして情報の共有に影響を及ぼしかねない。何よりも、イベントが途切れることなく続いたことは、トップの強靭なリーダーシップが生んだ奇跡とはいえ稀有なことだった。

 コロナ禍は、何もせず家に引きこもる時間が長すぎたことだ、とOさんは語る。こうして皆さんに会い、刺激をいただけることはありがたい。言われたことをやるだけでなく、「これからは自分の意思をトップに伝えていくようにしたい」と表明されていた。

 私の場合は地元のボランティア活動「歩こう会」で、月1回の定例会を楽しんでいる。歩くことは、ボケ防止を兼ねた私の健康法である。

 こうして皆さんとお会いできるのはありがたいことです。また、2か月に1回くらいのペースで会合を続けていきたいですね。「お手伝いさせていただきます」と、Wさんも笑顔だった。

 コロナの頃はお会いできず残念でしたが、また参加させていただきます。素晴らしい仲間たちの会で感謝しています。T夫人もお元気でした。

 相変わらずダンディな最年長のTさんは、「医者の世話にはなっていない。まだまだクルマの運転は楽しい」と明るい表情でした。

 今日は、そろそろ辞めるご挨拶をしなければと思ってやってきましたが、こうして皆さんとお喋りができるのは素晴らしいことだと思い直しました。「これからもよろしくお願いします」。Fさんもほっとした様子だった。

 尺八の会にも所属するSさんは、「いろいろな趣味を持った方と接触するのは楽しいし、勉強になります。こうした会合を重ねながら、みんなで知恵を出し合いトップを支えていきましょう」と前向きだった。

 「私も、ようやく週に1〜2回の出社になりました」と語るKさんは、「体の方も大分くたびれてきましたが、できる範囲で協力させていただきます。みんなで元気にこの会を盛り上げていきましょう」と最後を締めていただいた。

 外に出ると、まだまだ真夏日の陽ざしは眩しかった。
 お元気で、また会いしましょう!